(使用写真:映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』公式サイト (warnerbros.co.jp))
こんにちは、ユリイカです。
この記事では、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』をこれから初めて観る方はもちろん、
「何がそんなに評価されているのか知りたい」
こんなふうに感じた方にも作品の魅力を知っていただけるように、わかりやすく解説していきます。
大友啓史監督作品『るろうに剣心 最終章 The Beginning』ストーリー解説(ネタバレなし)
第1回目となる今回は、ネタバレなしでプロットの解説をしたいと思います。
あらすじ「The Final + The Beginning = 最終章」
(引用:るろうに剣心 最終章 The Beginning : 作品情報 – 映画.com (eiga.com))
作品背景「幕末の動乱期」
今作は「幕末→倒幕」という実際の史実に沿ったストーリーとなっています。
この流れを理解することで、より作品世界を楽しめるようになります。
映画前半の力関係を簡単に説明すると、
◎新選組(会津藩)=佐幕派「徳川家をトップに今の世を存続させたい!」
「開国を迫る黒船来航」=「異国の脅威」をきっかけに、日本が真っ二つに割れてしまった時代が本作の舞台です。
これをふまえた歴史視点での作品の三幕構成は以下のようになります。
※この三幕構成については〈はじめに〉このブログの目的で詳しく説明しています。
二幕 禁門の変(1864)…討幕派が京から締め出される
三幕 鳥羽伏見の戦い(1868)…討幕派の勝利
この歴史を背景に、
二幕 巴との暮らす中での「剣心の変化」
三幕 「巴の正体」と「剣心の答え」
がメインストーリーとして描かれます。
「人斬り抜刀斎」=長州藩としてのストーリーはサクセスストーリー=ラストで倒幕が叶うとなっていますが、
「剣心」=1人の青年としてのストーリーはそうでないのがこの作品の強い魅力となっています。
作品の見どころ「集団の中の自分」と「個の自分」
今作の剣心(佐藤健)は、
②高杉晋作(安藤政信)の騎兵隊に加わる。※ここまでがバックストーリー
③桂小五郎(高橋一生)のもと、 “人斬り抜刀斎” として京で暗躍している。
という設定から始まります。
剣心の葛藤「人のために人を斬る」
剣心は討幕派・尊王攘夷の志士のひとりとして、
仲間と小萩屋で寝食を共にし、夜な夜な人斬りに出かけていきます。
しかし、描かれているのは仲間といるのに “どこか孤独な” 剣心の姿。
その孤独の原因は、「人斬りである自分」に対する葛藤にあります。
そのきっかけとなるのが、京都見廻組・清里(窪田正孝)の斬殺。
※京都見廻組とは、新選組とは管轄地域を分けて京の町を守った幕府側の警察部隊です。
※シリーズ第1作『るろうに剣心』(2012)の時点ですでに描かれていた重要シーンです。
この “清里殺害” をきっかけに、剣心は「人々の幸せのために」人斬りとなったはずの自分が、「人々の幸せを奪っている」という矛盾に苦しむようになります。
そんな中で、謎の美女・巴(有村架純)と出会う。
自分のしていることは、正しいことなのか。
それとも、間違っているのか――。
10年越しの「The Beginning」
今作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は、2021年4月公開『るろうに剣心 最終章 The Final』の片割れであるだけでなく、シリーズの根幹を担う作品です。
2012年8月公開の第一作の撮影時点で、主演・佐藤健さんが想定していた「巴」があったからこそ、
約10年越しに誕生した傑作となっています。
映画は1本=約2時間。
しかし、その2時間を作り上げるために費やされる時間は数年単位に及びます。
脚本、美術セット、照明、カメラ、アクション……多くのプロの方々の手によって作られた “2時間” なのだと思うと、もったいなくて隅々まで観察せずにはいられません。
今回は、まだ観たことのない方のためにネタバレなしのストーリー解説とさせていただきましたが、
順次『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の考察記事を上げていきますので、今後にご期待ください。
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