こんにちは、ユリイカです。
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』のストーリーを、シーンごとにネタバレありで解説していきます。
第8回目となる今回でストーリー解説は最終回となります。
※ネタバレなしの解説は、【完全解説】るろうに剣心 最終章 The Begining|【1】ストーリー解説(ネタバレなし)をご参照ください。
【追記】
Twitterアカウントの方で地上波発放送当日の様子をご覧いただけるよう、モーメントにまとめました。当日リアルタイムで参戦できなかった方は、ぜひお役立てください。
「モーメント」を作成しました。
ご自宅で鑑賞される際のお供に、鑑賞後の整理・考察に、再鑑賞に、ぜひお役立てください。https://t.co/1Zbofjn93X— ユリイカ@映画垢 (@yureeca_) October 22, 2022
桂との再会、剣心の決意
数日後、芝刈りから剣心が戻ると縁側で桂が待っていました。
※なぜ剣心が芝刈りから戻ったかと言うと、それは巴の火葬のためです。
この追手こそ、第2・3作『京都大火編・伝説の最期編』で剣心と対決する志々雄真実(藤原竜也)です。
剣心「ここで剣を捨てれば、これまで奪った命が無駄になる」
こうして剣心は再び、新時代のための戦いの中に身を投じていきます。
手を洗う剣心
桂との話の最中、剣心はおもむろに手を洗い始めます。
これは、小萩屋にいた頃(=人斬り時代)の剣心のルーティンです。
言葉では桂の要望に応える一方で、「剣を振るう」=「人斬りに戻る」という現実に剣心は思わず手を洗ってしまう。
心を殺して、責務を果たす。
その覚悟と葛藤を表す深いシーンとなっています。
巴が剣心に残したもの
桂を見送り、剣心の戻った家の奥には、巴の遺体が安置されています。
そこで剣心は巴の日記を読み返します。
巴の回想とともに、今日までの数日間の剣心の生活シーンが挿入されます。
※ネット上で “巴の遺体と何日も暮らしていた” という解釈もたまに見かけますが、私は上記のように解釈しています。
剣心のひとり暮らし
巴と暮らしていた頃のように、
剣心は料理をし、食事をし、縁側からの景色を眺めます。
このシーンが意味するものは、剣心が再び取り戻した “感覚” に他なりません。
たとえ巴を失っても、巴から学んだ “生き方” までは剣心は失っていません。
だからこそ、日記を読み終え、立ち上がった剣心の後には花が活けられている。
全ては小萩屋で巴が剣心のためにしたこと。それを剣心はしっかりと胸にしまって旅立ちます。
剣心の衣裳
『るろうに剣心』シリーズでは、衣裳の色が心情とセットで変化します。
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灰色:巴とふたり暮らしの剣心
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黒:巴の裏切りを知った際の剣心
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白:巴を追って辰巳のもとへ向かう剣心
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灰色:桂と会話する剣心・巴の亡きあとも生活をする剣心
前述したように、今の剣心の中には巴がいます。
そして、新時代へ
4年の月日が流れ、時は1868年1月 鳥羽伏見の戦い(戊辰戦争の始まり)。
そこには討幕軍として未だ戦い続ける剣心の姿があります。
倒幕軍は「錦の御旗」を掲げ、これによって旧幕府軍・新選組は敗走、
新政府軍が勝利し、ようやく新時代(=明治)が訪れます。
再会する剣心と斎藤一
本作では、第1作から登場している斎藤一(江口洋介)のバックストーリーも描かれています。
斎藤にとっての剣心は、池田屋事件以来、ようやく再会できた人斬り抜刀斎です。
しかし、剣心はもうあの頃の剣心とは違います。
剣心「新時代が来たらその時は……」
桂「剣を捨てる、か」
剣心「……わかりません。ただ、もう二度と、人は殺めない」
当然、何も知らない斎藤には理解ができません。
その結果が、第1作での剣心と斎藤の戦いの最中の会話です。
剣心「拙者は過去を捨てた身。もう人は斬らぬ」
完全なループ構造となったシリーズ5作
第5作目である『The Beginnig』はこのセリフで終わり、
第1作目である『るろうに剣心』はこのセリフに始まります。
その男は、動乱の終結と共に姿を消した。一人の流浪人となって――。
彼が再び姿を現すのは、十年後のことである――。
第1作目から本作公開まで約10年。
奇しくも、人斬り抜刀斎が姿を消し、再び “るろうに” となって現れるまでも10年です。
邦画でこれだけのリアルな時間経過と共に完成した映画、こんなにも細部まで作り込まれた映画、更には実写化でこれだけの成功を収めた映画はほかにありません。
大友監督、谷垣監督、主演の佐藤健さんをはじめとしたキャストの方々はもちろん、
映画製作には他にも途方もないスタッフの方々が従事しています。
(第1作目と第4・5作目のエンドロールの情報量を比べていただければおわかりになるかと思います)
その道のプロの方々が、約10年ものあいだ心血を注いだ作品です。
ぜひお手元に置いて、これからも繰り返し、長く楽しんでいただけたらと思います。
以上で「ストーリー解説」は終わりになりますが、まだまだ補足したいことは山ほどあるので、随時更新していくつもりです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
(使用写真:https://twitter.com/TeamOTOMO/status/1418370328028356611 )